だいたいわか・・・わかるかーっ!!
上舞です。
「熱海の捜査官」全8話で完結したわけですが、表面的に事件そのものは解決したものの、謎の多く残るスッキリしないラストで賛否が激しくわかれるところだろうと思う。
ミステリ畑はよく知らないのでなんだが、これはミステリとしてはどうなんだろう、否定的な意味で。
ツイン・ピークスやアザーズやシックスセンスを連想する人も多かったようだ。
主題歌:東京事変「天国へようこそ」のアンニュイさはPS2ゲーム「RULE OF ROSE」も髣髴とさせるものもあった。
問題のラストシーンは、
事件の共犯者だった東雲が、死んだはずの新宮寺の運転するバスに乗って消失地点に差し掛かるとそこには星崎広域捜査官の姿。
バスは星崎を乗せ、トンネルの中へ。
今どこにいるのかわかっているのかを尋ねる東雲に、まぁだいたいはといつものように答え耳打ちするする星崎、イエスノーランプは青。
東雲が星崎に囁く。
「今、ラインを越えました」
[完]・・・完じゃねぇよ!!
ここのシーンさえなければ単なる駄作で終わってるんだけどこう思わせぶりに終わってるおかげで色々と様々な憶測が飛び交っているというはいはい、釣られた釣られた。
主題歌やドラマの断片事実からの考察により、この舞台である南熱海自体が生と死の狭間にある辺獄のような場所であるとの推察はほぼ間違いない確定事項だろうと思われる。
SF的に飛躍して無理やり当てはめれば、冷凍睡眠中の統合意識的世界とかゼーガでの量子サーバー内部とかそんな感じ、か。
解釈して楽しむぶんには面白いし雰囲気を楽しむドラマだといえばそれまでなのだろうけど、物語としてつくりが甘く結局投げっぱなしに過ぎるうように感じざるを得ない、完成度の低い駄作といわれてもしょうがないと思う。
結末に向けて嫌な雰囲気は感じつつも結構楽しく視聴していただけに、残念でならない。
本当にしっかりしたバックボーンがあるのならあるで、もっと表現の仕方がありえたと思われるからだ。
ないならそれこそやっつけで、物語ともいえないようなものを作った製作者としての良心を疑う。
神林長平作品の「死して咲く花、実のある夢」や「永久帰還装置」に類似性を見出すことができるかもしれないとも感じはした。
近いうちにノベライズとオフィシャル本が出るようなんで、読んでみたらまた印象が変わるかもしれないけれど、TVドラマとしては少なくとも整合性の取れたミステリ・ドラマとしては失格だと感じた事実は拭えない。
オダジョーで熱海と多少の親近感があっただけに、この結末は残念でならない。
まぁもう一度くらいは見返してみるけどな。