2011年4月16日土曜日

放射線に打ち勝つ(女性誌的なノリで)

放射性物質はそこらへんの雑巾で拭いてた、っていう話はあながち間違いじゃないのかも。



津田です。




東工大、セシウム汚染水浄化技術を開発

医薬品などに使われる市販顔料で、原子炉から発生する放射性物質セシウム汚染水浄化技術を、東京工業大原子炉工学研究所長の有冨正憲教授(原子力工学)らのチームが開発。
東京電力福島第1原発事故で発生している汚染水処理のほか、周辺の池や沼の浄化にも活用可能。

チームは、青色顔料の一種「紺青」の主成分「フェロシアン化鉄」に、セシウムを吸着する働きがある点に着目。
汚染水にこの顔料を混ぜ、遠心力で分離した後、セシウムとともにフィルターでこし取るシステム。

実験では、化学的性質が同じで放射線を出さないヨウ素、セシウム、ストロンチウムを海水に混ぜ、同原発の高濃度汚染水に相当する模擬汚染水を再現。
模擬汚染水100ml当たり顔料1gを入れた場合、処理水から検出されたセシウム濃度は1/10000以下となり、ほぼ100%除去。
ヨウ素とストロンチウムは除去できないが、ヨウ素は半減期が8日と短いため問題は小さく、ストロンチウムもセシウムに吸着する性質を使って除去率を上げることは可能とのこと。

泥水浄化などに使われる既存可動式装置を使えば毎時最大300lを処理でき、処理後の水は原子炉冷却水に再利用する方法が考案されている。

イスカンダルバイオプロジェクト:光合成細菌で放射性物質を吸着

広島国際学院大学の佐々木健教授研究グループは、微生物を駆使し放射能物質に汚染された環境を改善させる研究を行っており、実用化に向けて徐々に成果が出ているようです。

ロドバクター・スフェロイド(学術名)という光合成細菌体表面には放射性物質を吸着させる生態があり、セラミックの穴にこの菌を居着かせ水の中に入れることで、放射性物質をセラミックに吸着させようというもの。
放射性物質を取り込んだセラミックをどのように管理・廃棄するのか、という問題もありますが、実験で除去が成功している放射性物質はウラン、コバルト、ストロンチウム、理論上ではセシウムやプルトニウムにも対応できるようです。
実験成果が出ている場所は水と土壌で、今後の研究次第では大気中放射性物質にも対応させたいとのこと。

この環境修復新技術「イスカンダルバイオプロジェクト」はしばらく研究が中止されていたようですが、今回の福島原発のこともあり再スタートとのこと。



日本科学の英知を合わせて復興に取り組んでいるようで頼もしい限りですが、この技術を生かせる政府であってほしいものですね。

2011年4月15日金曜日

怪獣は自然災害か

東京創元社のウェブマガジン「Webミステリーズ」に特別掲載として
山本弘『MM9―destruction―』が隔月連載スタートらしいです。



津田です。



怪獣対策のスペシャリスト集団「気象庁特異生物対策部」、略して「気特対」の活躍を描く本格SF+怪獣小説の3作目長編。

http://www.webmysteries.jp/special/yamamoto1104-1.html

TVドラマ版は全部見たんですが原作の小説は全く読んでないんですよね。
糟谷さんによれば山本弘の良くない面が鼻につく感じとか。
これを機にちょっと読んでみてもいいかな。
でも横書きの小説はなんか読みづらいし隔月で間隔が空くしやっぱりまとまってからにするかも。

しかし時期的に奇しくも東日本大震災がマグニチュード9・0だったことと鑑みるに、なんとも不思議と感慨深いものがありますな。

むらかわみちお「還相」では、災害をも糧にのさばろうとする政治家というものはゴジラ以上の怪獣だと表現されていましたが、はてさて。

2011年4月14日木曜日

俺は炎のストリート

ボンバー!



上舞です。



歌が事件を誘う、若い男女のラヴストーリー、メカ&アクション。
マクロスでしょうか
いいえ ストリート・オブ・ファイヤー

というわけで午前十時の映画祭、今回は「ストリート・オブ・ファイヤー」を観てきた。
いや、面白いわ。
典型も典型、王道も王道なわけですが、今の目で見ても細やかでさりげない演出とかカッコいいセリフの掛け合いとか超娯楽映画にして現在の映画が霞んで見えちゃうほど(言い過ぎ)。
ロックで派手な銃撃戦やバイクアクションがふんだんにあるものの、人が一人も死なないってのも珍しくていい。

登場人物も個性豊かに際立っている。
主役のマイケル・パレは「アメリカン・ヒーロー」でラルフの教え子役だったんだね。
トム・コーディーって役名からも察せられるように、カプコンのアーケードゲーム「ファイナルファイト」はこの映画にインスパイアされたという側面が大きい。
「ファイナルファイト」はベルトスクロールアクションゲームの代表的傑作であり、その後隆盛した対戦型格闘ゲームの呼び水となったことは間違いなく、映画「ストリート・オブ・ファイヤー」がゲームシーンに与えた影響は少なくない。
あとコーディーに助っ人する女兵士マッコイもかなりいい。

しかしここは悪役であるストリートギャング“ボンバーズ”のボス、レイベンにも注目。
コテコテの悪役で生っ白い気持ち悪い系であり、人気ロック歌手エレンを拉致するんだけど……あれあれ?特に酷いことしてない気がするぞ。
ラストバトルでもコーディーとタイマン張って負けた後、レイベンより厳つく強そうなサブリーダー格の男に大事そうに抱えられて、集結していた武装バイク集団はあっさり退却。
暴走族集団なので衣装はレザー系なんだがボンデージ風に見えなくもない。
教授、これはいったい。
そう、腐の力だよ!!(な、なんだってー!)

※「萌えの死角」の読みすぎには注意しましょう※

2011年4月13日水曜日

のようなもの

怖かったですよ、アンソニー・ホプキンスが。



上舞です。



「ザ・ライト -エクソシストの真実-」が公開中なんで観てきた。
主役の父親イシュトヴァーン・コヴァクも強烈に印象に残る役どころなんだけどそれもそのはず、レプリカントことルトガー・ハウアーでしたよ。
さて舞台は猫の天国ローマ。猫がたくさん出てきたけど酷い目に合わなくてよかった。
信仰を見失っていた若き神学生が、経験豊かなルーカス神父と悪魔祓いの現実に立ち会っていくにつれ、エクソシストとしての道を志していく、とか言うとスポコンみたいやね。

タイトルの「ザ・ライト」は正しいRIGHTや光のLIGHTや万年ライトで八番だよのライパチ君ではなく、「RITE」つまり「(宗教上の)儀式」という意味らしく、「儀式」を通して人間の信念を「正しく」「光り」指し示すべく腐心した作品ととらえることもできるだろう(一部パンフより)。

悪魔憑きのような憑依現象は世界各地に、それこそ人種や生物種を問わずにあるんだけれど、キリスト教圏のそれはこの映画を見てても思えるがなんかマッチポンプだなぁって。
根本的に多神教とは解決手段が異なっており、そりゃなんだか息苦しい(生き苦しい)世界観であるなぁとも。
そういえばあちらではあまりいい意味では用いられないモチーフのバッタやイナゴは、日本では人間の自由のために闘ってたりするんだよな。

日本も地震津波火山に台風と大概の自然災害が猛威を振るうんだけど、多種多様な自然災害ってのは逆説的に自然が豊かであるともとらえられるわけで、環境が厳しい土地柄から出でた宗教が豊穣の神を貶める気持ちはそりゃわからんではない。人間だもの。
そう、悪魔って人間なんですよ。
年代を経て重層化したヒトとヒトとのサーキットリレーションが織りなす連鎖の負の一面、それが悪魔なんです。
一種の呪いといってもいい。

なので積年の恨みつらみを解きほぐすには、やはりそれ相応の時間というものが必要なのでしょうか。
つまり、やっぱり呪いはノロイ。by田中啓文

追記:「青の祓魔師」もそろそろ始まりますかね。

2011年4月12日火曜日

イヤン・ヴァカンス

排煙で転死



津田です。



糟谷さんに(確か)借りてた飛浩隆「グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ」をようやく読み終えり。
いやーイヤ~なお話ですな。
ま、美しくもあるのも確かであり、それは人間が一人も出てこないってとこもあるんだろうけど、どちらかといえばファンタジーに近しい作風といえるかな。
キレイなエログロっていう相反するであろうイメージを現出させているのは普遍性がある。

廃れた仮想空間リゾートが舞台でその崩壊する様が描かれるわけであるが、スマン、なぜか8時だョ!全員集合が想起されてしまいまった。
だってドリフト・グラス  (〈流れ硝視〉)  だぜ?
もうリゾートが崩壊していく様子なんか盆回りが脳内で流れっぱなし(台無し)。


これを田中啓文効果と名付けようおいやめろ。

Ⅰってぐらいだから続きもあって、次巻は「ラギッド・ガール」っていう短編集らしい。前日譚などが語られるらしいので、どれだけSF度が高まるのか(あるいはそうでないのか)気になるところ。
構想は三部作らしいんですが二作目長編「空の園丁」はまだまだ先になりそうかな。

アレですね、ウサギのシチューが重要なキーポイントになるわけですが、死中に活を求めるってまさにこのことかなって(区界戦慄)。

2011年4月11日月曜日

爆走兄弟レッツゴー仮面ライダー

なんか違う。



ライダー北方



そのむかし、レッツアンドゴーだろって言ったらアンドじゃなくてエンドですって訂正された、小学生に。
それは置いといて、観てきましたよ。

オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー

レイトだったこともあってか大きなおともだちしかいねぇ。

・かえってくるライダー:今回最大の見どころは39年ぶりの主演となる1号の映画だというふれこみ。まぁ主演っていうにしては電王パートがもっさりと感じられたりで出ずっぱりというわけではなかった。にしても1号・2号・V3の声がオリジナルだった意味は大きい。あぁ、かえってきたって感慨は深い。

・怪人のうた:また怪人たちの存在も半端なかった。特にブラック将軍・ジェネラルシャドウあたりが光った。アクションの切れがすごくいい。なんか見たことあると思ったらブラック将軍役はあの超脇役として有名な5万回斬られた男だったよ。ショッカー首領も声は懐かしの納谷悟朗、衰えは隠せないものの好演、ショッカー首領としてはおそらく最後かと思えて熱いものがある。

・悪魔のショッカー:考えてみるに昔のショッカーとか悪役はすごく怖い。なんでかってそれは純粋に悪だからであろう。今みたいに生温くはない、悪人にもそれなりの理由があってなんて生易しいもんじゃない。相対的ではなく本当に絶対的な悪がそこにはあった。だからこそ畏怖し恐怖するのであろう。

・ぼくらの仮面ライダー:だからこそ正義もありえる。正義とは貧弱でか弱い。しかしそれに味方するものを心描くとき、そこにはヒーローの姿がよみがえる、いつでも。

↓クウガあんま出なかったんでつい食玩クウガメダルをリぺ。なかなかいい。

・仮面ライダー数えうた:でもさ、しかし多いなライダー!改めて。ラスト近く、歴代ライダーが名乗りを上げての登場シーンは大勢のエキストラのみなさんが声をそろえて叫ぶわけだが、もうテンションはクライマックス。否が応でも盛り上がるというもの。このエキストラは出てみたかったよなー。

・オー!ショッカー:そうそう、最近思うのは子役がとても上手いってこと。この映画のもう一つの主役が少年仮面ライダー隊の子供たち。ホントに巧い。親子で楽しめるこういった点は、歴史のしっかりとした手ごたえを感じさせる。とある白衣のショッカー科学者(アニソンキング)にはサプライズゲストが扮しているのでお見逃しなく。

・ライダーアクション:戦闘シーンはさすがに全員分とはいかないがメジャーどこはかなり楽しめるだろう。話題になってたキカイダー・キカイダー01・イナズマン・ズバットはぽっと出てきただけで、個人的にはディケイドの世界を越える能力と絡ませての登場を期待したんだけどそれは妄想で補完。“あの”決め台詞もしっかり出てくるんで満足度は高い快傑。
パンフは買う価値があると思う。

・たたかえ!サイクロン:しかし現役ライダーオーズは物語の中心にはいるんだけど、こういう映画ではなんか存在が弱いのは否めない。まそれは次の映画でってことなんだろうし、こういう先輩ライダーを立てるオーズだからこそこの記念すべき映画も成り立ったとは考えられるので好感持てるよ。
ラスボス戦も冷静に考えれば流れは読めるんだが、やっぱりおおっとなったし、どうやって倒すんだコレ……と単純に楽しめた。単純だなぁ自分。

・ロンリー仮面ライダー:孤独に闘ってきた仮面ライダー。今でも実際闘うときは人間だれに限らず一人きりである。ただ、本当に苦しいとき。乗り越えられるのはきっと味方がいるからだ。人間には味方がいることを君たちは知っている。それはライダーも同様だったからこそ、ここまで存在し続けているのだ。

・レッツゴー!!ライダーキック:エンディング曲はまぁ……必要悪ってことで。敵の力をも利用して闘う、実にらしいじゃないか。

・仮面ライダーのうた:嵐とともにやってきた嵐の男はその怒りを正義のマスクに隠し、悪を蹴散らし今日もまた走りゆくのであった。

仮面ライダー本郷猛は改造人間である。
彼を改造したショッカーは、世界制覇を企む悪の秘密結社である。
仮面ライダーは、人間の自由の為にショッカーと戦うのだ!