2010年9月17日金曜日

生命は溶岩の海に浮かぶうたかたのまぼろし

NHKBShi「スーパーコンチネント ~2億5千万年後の地球~」を録画しといたのをようやく見たぜ。



上舞です。



ニュージーランドとの国際共同制作らしい、まぁ見所はあるんだが演出が助長的で使い回しの映像も多く8月に放映されていたことを考えるに、夏休み子供向け番組としてはよいのではないかと思った。

今から2億5千万年後の地球に帰還した宇宙飛行士“旅人”が、超大陸(スーパーコンチネント)を再び形成している地球上で人類の痕跡をたどるという一応のバックグラウンドストーリーを軸に、かつて大量絶滅が起こった2億5千年前のペルム紀はパンゲア大陸から2億5千万年後の超大陸までを、地質学、火山学、気候学、海洋学、天文学などさまざまな分野の科学者たちがそれぞれの見地から過去を調査することで現状を知り、未来の地球へと想いを馳せるというBBCやNHKではお馴染みの形式だ。

U字磁石のような宇宙船とキレイなボバ・フェットのような宇宙服の“旅人”の姿はこの際目をつぶるとしても、映像的にイマイチぱっとしないしSFに馴染んでいればいるほど特に目新しいところがなくなってくるのはいたしかたないよな。
でもよく引き合いに出される、地球の歴史を1日に換算して考えた場合、人類が誕生したのは23時58分ごろだぜ、といういわゆる「地球時計」の考え方を考え直して、地球の終わりまで見越した場合の時計に換算したアップデート版は考え方として新しくわかりやすく、感心した。
それによると地球の寿命を120億年として、地球誕生から終末までを12時間と換算すると、人類の生存するであろう時間は、4時を過ぎたあたりからの約千分の1秒くらいとのこと。
以前の考え方は未来を想定してなく実に人間中心の考え方でずっと違和感を感じ続けていたこともあり、この考え方を出してくれて非常にすっきりした、とてもよろしい。

しかし以前のパンゲア大陸の時もそうだったみたいなんだが、超大陸を形成しちゃうと水の循環系が単純化してしまって生命的には非常にマズイことになるようです。
ラップ調に言うと、生きてるヤツらだいたいゼツメツ(90%から95%)。特に海死亡のようです(酸素が回らないから)。

たまにはこうでかいスケールから見直してみると、生命現象はダイナミックな地球活動における大陸上の泡沫の水泡のようにはかないものであり、偶然の産物ではあるけど多分ありふれたものであるんだろうなあとただただ感じ入るばかりなりよ。

水の惑星地球も一皮剥けば灼熱の熱量を持った火の玉GUY。
播種という意味合いからも、やはり生命は宇宙空間を目指してしかるべく運命づけられているという想いを新たにするわけです。

しかし“旅人”を放置(3564)して逃げちゃった宇宙船はいったいなんだったのか。
そこの展開にだけは納得いかない、科学特番「スーパーコンチネント ~2億5千万年後の地球~」なのでした。