上舞です。
というわけでGALLERY SOAPで開催中の外田春:初個展のオープニングパーティーにひょっこり行ってきましたよ。
歴代肖像のように並べ掛けられた51人の生首は「聖人(saints)」と題されていました。
土気色の面々に囲まれていると来場者の方々が皆血色のいい生き生きとした表情ある幸福そうな人々に見えてきますよ(大半はアルコールのせいです)。
非常に興味深く、楽しい展覧会でした。
さて、人類は三種類の色覚受容体を持つためその色覚は「3色型色覚」と呼ばれています。
光刺激を三種類の錐体で吸収し三次元感覚情報として処理、光の色を三原色の混合比として捉える、というシステムを構築しているのです。
中生代哺乳類が夜間活動を強いられたため、本来有したとされる4色型色覚のうち2種の視物質を喪失し、その後狭鼻猿類や人類は昼間活動増加に伴い一つの錐体が分化、3色型色覚を再獲得したものと考えられているようです。
このため分化した方の錐体は特性に違いが少なく、歪な3色型色覚ともいえるので、まれに色覚が少ない人も存在するようです。
また人間でも女性の中には遺伝子の関係上4色型色覚を持つ人もいるようで、どのように知覚しているのかを表現する方法には非常に興味深いものがあります。
案外、霊が見えるとかの類は通常感知出来ない電磁波などを知覚しているせいなのかもしれませんね。
4色型色覚を有する場合は原色が4種類になるので、三原色の光で人工的に再現した色(テレビ画面や写真)を見る場合、当人にとっては全然自然な色には見えないのだろうと思います。
どちらが優れているとかいうことではなく、ただ単にシステムの違いに過ぎませんが、原理的に理解しあうに難いことは確かです。
ただその違いを橋渡しし、ある程度の理解を構築しようとする試みが、芸術というもののひとつのありようでなのかもしれませんね。