※ネタばれ注意※
北方です。
いや~うわさに違わぬ名作!とても良い作品をじっくり観ることが出来ました、
「地球の静止する日」。
宇宙から突如飛来した謎の飛行物体から現れた異星人クラトゥは、集まってきた民衆や軍関係者の前で英語ではっきりと平和のために来た旨を告げます。
馬鹿な科学者がフラフラ近づいていって手を差し伸べるようなおかしな演出ではありません。
地球人に他の星のことがわかる装置を渡そうとする彼ですが、それを銃器かと勘違いした兵士の発砲で腕を撃たれうずくまってしまいます。
するといつの間にか宇宙船から現れた銀色(白黒なのにそう感じられる)のロボットが目のようなところから発する光線のようなもので武器だけを無効化してしまうのです。
逃げ惑う住民たちでしたがクラトゥはロボット:ゴートを制止し、それ以上の被害が出ないようにします。
光を放つ威圧的な姿で出てきておいて一発の銃弾でぐったりなっちゃうような変なクラトゥではありません。
病院で治療を受けるクラトゥは驚異的な回復力で医者を驚かせます。
大統領補佐官がクラトゥが地球に来た理由を尋ねますが、「地球の全生命を救うために来た」と言うのです。
注意してほしいのですがその中にはもちろん地球の動物である人間も含まれているということです。
その詳細な理由は最後の最後まで謎ですが、その理由も明確で、地球人全体に関わる重要なことなので、地球のすべての代表者に話をしたいと言うのです。
一国の指導者に会えば各国の嫉妬や疑惑を生むだけだ、と明確な理由も述べています。
謎めいたもったいぶった言い方は微塵もなく、あくまで知的かつ冷静です。
地球人のことをもっと理解するために外出の許可を求めるクラトゥでしたが、補佐官は軍関係者から病院から出さないようにと言われていることを告げます。
部屋に鍵をかけ見張りを立てはしますが、補佐官は一応国連召集令を各国に出しますし、各国の代表が一度に集まれない現状や人類がいまだ統一の段階に至っていないこともクラトゥに理解してほしいと訴えます。
補佐官にヒステリックさや性急さは見受けられません。
特に暴力や何かに訴えるわけでなくすんなり病室から出るクラトゥは、軍病院から失敬したクリーニング済みのスーツを着込んでいるわけですが、クリーニング店のタグにある名前を自分の地球名にしてアパートを借ります。
ここは自分解釈なのですが、クラトゥが名乗る「カーペンター」の名には「大工」の意味があります。
大工の息子であった超有名人のことをイメージしているのでは、と感じたのはさすがにこじつけ気味でしょうか。
(この項つづく)
最近パロディもので「地球『が』静止する日」とかいう映画があるようですが、まぁ「地球の静止する日」があまりにも名作過ぎるので粗悪な類似品が出来てくるのも仕方がありません。
逆に「地球の静止する日」が素晴らしい作品であることが再認識できるというものです。
「~が~」の方を観てしまった方で「地球の静止する日」を未見の方には是非とも本物の良さを知っていただきたいものです。