2009年10月24日土曜日

星に行く船

帰れはせぬが 見事果たせよ 大使命



津田です。



・JAXA金星探査機、「あかつき」と命名

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、来春打ち上げ予定の金星探査機の名前を「あかつき」と決定。

暁の空に輝く「明けの明星」をイメージし、機構内検討チームが決めたようだが、ルシファーじゃなくてよかったよ(そりゃそうだ)。

「あかつき」は、火星探査機「のぞみ」に続く惑星探査機で、約半年かけて金星に到着、2年間にわたり金星上空を周回しつつ観測を行う予定。

そして月周回衛星「かぐや」の時と同様に、機体に搭載するメッセージの募集を開始したようです。

http://www.jaxa.jp/event/akatsuki/index_j.html

メッセージはアルミプレートに印刷、機体側面に取り付けられるとのこと。

応募締め切りは12月25日。

北九州SF研究会としても応募したいところなんで、なんか考えなきゃ。


・HTVの宇宙貨物機誘導システム、宇宙貨物輸送機「シグナス」に採用

 三菱電機は22日、宇宙貨物輸送機が国際宇宙ステーション(ISS)に安全に近づくための誘導接近システムを、アメリカ人工衛星開発大手オービタルサイエンス社から受注したと発表。

システムは9月にISSとのドッキングが成功した日本初の宇宙輸送機「HTV」用に開発されたもの。

2010年から14年にかけて納入、オービタルサイエンス社が米航空宇宙局(NASA)向けに製造する宇宙貨物輸送機「シグナス」に(9機分)搭載される予定。

シグナスは2010年退役のスペースシャトル代替として貨物輸送の任に就く。

HTVもカッコイイ愛称を公募すればいいのに。


・準天頂衛星初号機、愛称募集キャンペーン

 カーナビ、GPS機能搭載携帯電話の普及で、衛星使用の測位サービスはなくてはならない現代ですが、日本都市部は高層建物が多いためGPS衛星可視条件が悪く、測位精度劣化が度々起こっているのが現状。

これを解決するための準天頂衛星システムというわけ。

準天頂衛星とは、日本の天頂付近で長い時間見える人工衛星のこと。

広く親しみを持ってもらうために、JAXAではこの準天頂衛星初号機の愛称を募集しているようです。

https://www.qzs-campaign.jp/

選定愛称提案者の中から抽選で1名をペアで、種子島宇宙センターでの準天頂衛星初号機打上げ見学にご招待とのこと。

さすがに当たらないだろうけど名前を考えるのは楽しいので、こちらも応募しようと思いますよ。

応募締め切りは12月16日(水)17:00まで。



以上、

新井素子:著は「星へ行く船」(コバルト文庫)。

2009年10月23日金曜日

ね:ネビュラにヒューゴー

ふたつの賞を受賞することから、手堅い良作であろうことが期待できるため、滅多に外さない事の例え。

ダブル・クラウンだネ!



地球を防衛するために北方。



ネビュラ賞(The Nebula Awards)は、アメリカSFファンタジー作家協会 (SFWA) から授与される文学賞。

アメリカ合衆国内で出版・発表されたSF作品を対象に、会員全員による二度の予備投票で候補作を絞り、最終投票を行う三段階方式。

オリジナル作品の年間アンソロジーをつくるというアイディアから生まれた賞で、実際に印税がトロフィー制作費にあてられているらしい。

受賞者はトロフィーとして、透明なルサイトのブロック中にメタリックに輝く渦巻き星雲(ネビュラ)と水晶の標本が埋め込まれているものを与えられるようだ。

賞金はない、けど世界的知名度も高く受賞は本の売れ行きの増加につながるのはどんな賞も同じ。

ちなみにダブル・クラウンでの有名どこは、


・デューン 砂の惑星(フランク・ハーバート)

・闇の左手(アーシュラ・K・ル・グィン)

・リングワールド(ラリイ・ニーヴン)

・神々自身(アイザック・アシモフ)

・宇宙のランデヴー(アーサー・C・クラーク)

・所有せざる人々(アーシュラ・K・ル・グィン)

・終りなき戦い(ジョー・ホールドマン)

・ゲイトウエイ(フレデリック・ポール)

・夢の蛇(ヴォンダ・N・マッキンタイア)

・楽園の泉(アーサー・C・クラーク)

・スタータイド・ライジング(デイヴィッド・ブリン)

・ニューロマンサー(ウィリアム・ギブスン)

・エンダーのゲーム(オースン・スコット・カード)

・死者の代弁者(オースン・スコット・カード)

・ドゥームズデイ・ブック(コニー・ウィリス)

とか。

通常、ネビュラ賞受賞の翌年にヒューゴー賞受賞という順番になるらしいですよ。

選ぶ時の目安にはなるカモネギ。



つまりダブル・クラウンがどれくらい凄いかというと、超能力のサイボーグ、というくらいかもしれないそんな莫迦な。

2009年10月22日木曜日

折々の紙々

NHKの『地球ドラマチック 「ORIGAMIマエストロ~折り目が作る無限の宇宙~」を見たよ。



津田です。



子供の頃、誰もが一度は折ったことがあるであろう「折り紙」。

この一見単純な子供の遊びに魅せられ、芸術や学術、実用にまで発展させ続けている人々の物語。

特に見る予定じゃなかったのに、ぐんぐんひきつけられてしまいましたよ。

素人でも高等幾何学的なアプローチが有用だろうと思われるの折り紙だが、予想以上に奥の深い、哲学的考察レベルの話も展開可能な分野だったことを発見させられたのは素晴らしい収穫でした。

NHKはいいもの放映するなぁ。

人工衛星のソーラーパネル(ミウラ折り)や自動車などのエアバッグの折り畳みに、折り紙理論が用いられていることは知っていましたが、DNA形状やたんぱく質分子構造の折りたたみを模索し、病気治療などにも実用を目途に用いられていようとは。


また数々の作品群は一枚の紙から折るだけで出来ているとはとても考えられないリアル。

ある時は折り紙界に「昆虫戦争」が巻き起こり、足とかたくさん作っちゃうよ~というより複雑な形状を求める時期もあれば、一回折るだけでも何かできんじゃね?という余白の美を追求したりもする高い芸術性も秘めている。
一枚の紙から何でも出来る。

まさに糸氏光臨。

現在世界の折り紙芸術家たちが一様に師と仰ぐ先駆者は吉沢章さん。日本独自の発展をした遊びが多くの分野で役立っていることは、なんだかくすぐったいような感じです。

インタビュー中の外国作家さんの背後の本棚に「折り紙入門」とか日本語の著書名があるのはなんか変な感じ。



鶴くらいしか折れないけど“折り紙”の奥深さに改めて触れた思いです。

“遊び”から、新しいものが生まれるのだなぁ。




内容は折り紙あまり関係薄そうですがネビュラ賞候補にもなった、「折紙宇宙船の伝説」(著:矢野徹)なんてのもありますよね。

2009年10月21日水曜日

彗星の贈り物

出身は、りゅうせい中学校です。

えっ?

柳に西で、柳西です。



上舞です。



平尾台くんだりまで出向いて「オリオン座流星群」を観測に行きましたよっと。

結構みんな見に来てるのね車多くて困りましたが、幸い牡鹿洞の駐車場っぽいところがすいてたんで観測開始。

当初、雲が多くてダメかな?と思いましたが程なく雲も途切れ、星空観測としても絶好の日和になりました。

オリオンはまだ低い位置にあり、上方?のうにゃうにゃっとした星の集団は何だろうとStar Pocket(星図)で確認したらプレアデス星団でした、昴ね。

んで、肝心の流星ですが大量にってわけじゃないけど、一時間に5~6個は見ることが出来ました!

軌跡は短かったけどオリオン座中にフラッシュのように輝いた流星と、ふたご座方面から長く伸びてくっきり輝く流星が特に印象に残っていますね。

いや~観測できて良かったよ。


しかし一時間近く見上げていると首が大変なことになったのでしたよ。


ハレー彗星は様々な作品が生まれる要因となった天体現象ですよね。

アーサー・C・クラーク「2061年宇宙の旅」、グレゴリイ・ベンフォード&デイヴィッド・ブリン「彗星の核へ」では共に、回帰したハレー彗星への有人宇宙船着陸が試みられています。

エニックス製作ゲーム『ジーザス』でも彗星から来るものが重要なファクターとなっています。

ベツレヘムの星って説もあるのね。


その名残であるオリオン座流星群。美しい天体現象を観測できて満足です。


淋しくなれば また来るかしら
光る尾をひく 流星群


それは暗黒ジャコビニ流星弾←違うしそれかよ。

2009年10月20日火曜日

家族のすかいらーく

ドク・スミスことE・E・スミスこそ、初めて我々を太陽系外宇宙へと誘ってくれた先駆者である。



津田です。



「レンズマン」シリーズの方がメジャーだと思いますが、処女作「宇宙のスカイラーク」こそスペースオペラの嚆矢であったことは間違いないようです。

小学校図書館のジュブナイルシリーズでは定番だったけど今でもあるのかな。

ここらへんから入るとロボット(乗り込み型)が好きというよりも、個人所有の宇宙船に心惹かれるものがあるんじゃないでしょうかね。

スカイラーク・シリーズは4作品あり、最終作が遺作であることも感慨を深めます。

銀河を股にかける一大冒険活劇という大舞台を設置したことも凄いですが、このシリーズでは魅力的な敵役をダークヒーローという構図で登場させている点も興味深い点であります。

次巻「スカイラーク3号」ではついに銀河系を飛び出すのですが、実際アンドロメダ星雲が別銀河だということを天文学者ハッブルが確認したのが1923年、この作品発表年1930年なので比較的科学知識に基づいてはいるといえないこともない気がするよねぇ(無理やり)。

あと主人公一行に日本人シローという召使いがいるんだけど(忘れてたけど)、ラノベ風にするなら男の娘メイドなのかなと思ってみたり。

そしてさらに次巻では宇宙も飛び出しちゃう。異なる次元へGOだぜ。


最終的にヴァレロンのスカイラーク号は改良され大きさがとんでもないことになるんですよ。

ここまで巨大な宇宙船はSF史上でも稀じゃないかな。




ファミレスのすかいらーくが全店舗消滅したニュースを聞いて「宇宙のスカイラーク」を思い出したんだけど、現在、何が一番変わったかといえば家族の有様なのかもしれませんね。


相対性理論は所詮、理論にすぎんよ:シートン談




スペオペの合言葉。

スピーク スカイラーク(ミッキー・ロークでお願いします)

2009年10月19日月曜日

オリオンは蠍の夢を見ない

紫苑パブリチェンコ・・・流星核を渡せ・・・!

けがれたゆーびさーきーでー




津田です。



M78散光星雲も所属する星座オリオンは、冬の空を一際鮮やかに彩る美しき巨人である。

その東の夜空に浮かぶオリオン座ベテルギウス付近の放射点を起点に、オリオン座流星群が今夜から出現するようだ。

2006年以降出現数が急増しているのは、約3000年前にハレー彗星から放出された塵が06~10年の間、地球軌道に接近するためらしい。通常1時間20個程度だが、06年から1時間最大50個以上の流星が観測されている。次の急増は70年後。

今年は月明かりが無く条件が良いため、国立天文台は特設ホームページを設け観測を勧めている。

http://www.nao.ac.jp/phenomena/20091019/

ピークは19日夜から23日未明、肉眼で広範囲に観測可能らしい。


本格的な寒さが到来する前に、たまには星空を見上げ、流星に願いをかけるのもいいだろう。

ふたつ数えて 夢くだけ(太陽の牙)。




きょーおーが どんなーにーこーわれそでーもー

BK201が・・・消えた!?

2009年10月18日日曜日

千客万来、麗虎招福

小倉城のマスコットキャラクターは、迎え虎と送り虎をモチーフにデザインされて、現在名前を公募中なんだが、アニマルソルジャーのデビルねこくんに似てる感じ。



津田です。



小倉城祭りにちょっとだけ顔出して秋刀魚とか食った。


ところで“書庫”から借りて、萩尾望都「半神」を読んだ。

文庫版で短編集なのだが、どの作品も珠玉という言葉が相応しく、正に物語詩人。

特に名高い表題作の「半神」はわずか16ページの漫画ながら非常に精錬された完成度を誇るといっていい。

現在の様々な作家と呼ばれる人々に多大な影響を与え続けている作家であることは間違いないと思う。


だがこうも考える。

商業至上の編集や出版サイドからみれば、話はそこそこの面白さでも長く引っ張れて安定して続けられた方が儲かることは確かそうに思える。

「俺達は最高傑作が欲しいんじゃ無い 最新作が欲しいんだよ(中略)その上で傑作ならなおいいが」

コレをこなせるのは正に天賦の才を与えられしごく希少な漫画家さんのみといえましょう。

萩尾望都、素晴らしい作家であります。


冒頭で虎の話題を出したのは半神(以下略)。