2010年11月13日土曜日

魂の充足

古代エジプトでは人はアクト(質料)とカー(形相)とバー(魂)から成っており、プラトンはカーの概念をイデアと訳した。



津田です。



近代哲学的に考えると意識対象(アクト)と意識内容(カー)と意識作用(バー)、物理学的に考えれば物質(アクト)とエントロピー(カー)とエネルギー(バー)に該当すると思われる。
人間が死んでもミイラとして保存すれば、形相であるカーは肉体とともにこの世に残り、バーはあの世に行く。
物理学的に言うならば魂の不滅とは、エネルギー保存則にしたがっていると考えられないこともない。

肉体が完全に滅びてしまえば存在本質のカーだけが残るのであるが、バー(エネルギー)が無ければエントロピーは増大してゆくばかりなので最終的には熱的死を迎えざるを得ない。
そこで考えられたのがご存知肉体保存技術、ミイラである。

そしてこの考え方はヒトそのものだけでなく、ヒトがつくりだす社会という現象にも当てはまるものなのかもしれない。
例えばピラミッドなどの建造物は、エジプト王朝そのもののミイラだとする考え方もあり、なるほどなぁと感心したりする。

魂がどこかへ還ったとしても、依り代たるなんらかの形があれば、バーが永遠の命を携え戻ってきた時には復活するということなのかもしれませんね。
文書や、葬儀を描いた多くの壁画などで、バー(魂)を表現するために使われたヒエログリフは、人間の頭を持ち、鳥(通常、ハヤブサ)の身体をもつ形となっているようです。

我々が知る「はやぶさ」も、永遠の命を得たといっても過言ではないのかもしれませんね、人類が滅びないかぎりは。

2010年11月12日金曜日

Guns N' Memories 3

Ride on Shooting Star



散弾銃のように北方



予算の都合もあってなかなか長物と呼ばれる重火器に手を出すことが出来なかったのではあるが、唯一購入したのがKHC(啓弊社)「マーベリックM88」である。
ガスガンが隆盛を極め、電動ガンも飛ぶ鳥落とす勢いだったこの次期に、なぜエアコッキング式しかもショットガンだったのか。

その理由はまずはなんとなく近未来銃っぽい外観にある。
フランス陸軍で採用、現在も配備されているFA-MASを代表とするグリップと引き金より後方に弾倉や機関部を配置するブルパップと呼ばれる方式を採用したショットガンであるモスバーグM500。
この散弾銃にポリマー部品を多用した外装を付け、キャリングハンドルやコッキングにも使用するフォアグリップも装着されており、作動はオーソドックスなポンプアクションであるにもかかわらず一見してショットガンには見えない。
全然違うけどパルスライフルのような印象も。

さてそのエアーガンとしての性能だが、ショットガンと言うからには散弾してほしいよね、でも飛距離も欲しい。
そんなわがままな貴方の要求をかなえるべく、マーベリックにはバレル(銃身)が4本あります。
4本の独立したバレルとチャンバーを持つなんてかなりユニークな商品で、この発想は後に東京マルイのSPAS12に受け継がれるもののこちらは3バレル。面攻撃が可能で有効なエアーガンの草分け的存在であったことは間違いない(多分)。

さらにまたか!と思われるかもしれないが、東京マルイがショットシェル式のマガジン(装弾数30発)を採用してリアルさを演出したのとは逆に、KHCでは大胆にもキャリングハンドル部分をまるごと弾倉に。
自由落下方式で上部からBB弾をジャラジャラ流し込むタイプで給弾も楽な上に装弾数約240発という正に弾切れ知らず。
相変わらずこの方式だとうるさいんだけどね。

まだホップアップバレルは採用されていなかった(後に改良品も出たっけか?)けど、いうならば長物のエアーガンを4丁まとめたような仕組みである。
当然のようにコッキングが硬くて重い。非力な自分ならいざ知らず、当時のレビューとかでもスプリングカットの改造とかあったようなんでほんとに重かったんだろう。
あと操作音がデカイ、迫力満点であるが壊れそうで最初はビックリする。
撃つ方がそうなんで、狙われた方はたまらんだろうな。
基本的にモナカ構造だったと思うけど、ライブなグリップセイフティや金属製バレルジャケット、コッキングの際にチャンバーが開くギミックもあり、毛色が変わってはいるけれどなかなか優秀なモデルではなかっただろうか(モノにしては低価格だったし)。

前二つの銃は残念ながら破損してしまって手元に無いんだけれど、こいつだけはまだあるな(壊れてるけど)。

2010年11月11日木曜日

赤ちゃんも宇宙補給機で

HTV(宇宙ステーション補給機)の愛称が決まりましたね。



津田です。



スペースコロニー在住の家庭で子供から赤ちゃんはどこから来るのって聞かれ、「こうのとり」が運んで来るんだよって答えたり、お前は軌道エレベーターの端で破棄されていた宇宙船の冷凍睡眠カプセルから拾ってきたんだよって言われトラウマを植えつけられる子供たちが続出する未来が待ち遠しいですよね。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は11月11日、ISS(国際宇宙ステーション)へ補給物資を運ぶHTV(宇宙ステーション補給機)の愛称を「こうのとり」(KOUNOTORI)に決定と発表。
こうのとり2号機は来年1月20日にH-IIBロケットで打ち上げられる予定。

コウノトリが住み着いた家には幸福が訪れるとか、赤ちゃんや幸せなど大切なものを運んでくるという言い伝えがヨーロッパにあり、日本にもそのイメージが伝わって久しい。
「ISSへ重要な物資を運ぶHTVのミッション内容を的確に表している」として、有効応募総数17026件のうち217人が提案した「こうのとり」に決めたとか。

商標などに使用されている名称は除外されたらしいので、イスカンダルへ行って放射能除去装置コスモクリーナーDを運んできたヤマトは除外されますね(別に応募したわけじゃないけど)。

そういえば九州石油のガソリンスタンドのブランド名はSTORKで、コウノトリの看板が掲げられていましたな。

2010年11月10日水曜日

俺の妹が額縁の中の少女に似ているわけがない

ポーランドってポーの一族が住んでいる国ですか?



上舞です。



ポーランドといえばレムですよね。
あぁ身体は休息状態なのに脳は覚醒に近い状態で活動しているそれはレム睡眠。
ドリームハンター、それは麗夢。

スタニスワフ・レムといえば「ソラリスの陽のもとに」とか「宇宙創世期ロボットの旅」、「泰平ヨン」シリーズや古くは「金星応答なし」ですか。金星が脚光を浴びている昨今、読み直すにはいい機会かもしれませんな。
東欧などのSFとかももっと紹介されるといいのにね。

あとポーランドの著名人はSFに近しそうなところで、地動説のコペルニクス、放射能のマリ・キュリー、エスペラント創案者ザメンホフ、ダンス・オブ・ヴァンパイアのロマン・ポランスキーとかでしょうか。ピアノの詩人ショパ~ン(ルパン風のノリで)も。

というわけで「ポーランドの至宝展 レンブラントと珠玉の王室コレクション」が北九州市立美術館分館にていよいよ開幕ですね。

ぐったり。

2010年11月9日火曜日

Guns N' Memories 2

サラ・コナー?



ハードボーラー北方



映画「ターミネーター」は当時何故か戦闘武装集団MK-Ⅲに海賊版ビデオが回ってきてて、大音量の場面になると音割れが酷かったんだが、その映像のインパクトは絶大であり、当然のように充実していた銃器関連の話題も頻出した。
中でも特に印象深いのが「AMTハードボーラー ロングスライド」。
ビデオパッケージでシュワちゃんが手にしてるので覚えがある人も多いと思う。
ステンレスシルバーロングスライドオートマチック・レーザーサイトモデルは当然のように自分の心も捉え、以後オートマチックの嗜好はロングスライドになった。
トライガンとかヘルシングの人とかもここらへんが源流なんかもね。

さて、このハードボーラー。
実銃はAMT(アルカディア・マシン・アンド・ツール)社が、ガバメントモデルとしては初の全ステンレス製として製作。
エアーガンとしてはチヨダ(千代田?)というメーカーがマークスマンガバメントという名称で、確か競技用(謎)として製作。マガジンが無く上部から一発づつ詰める方式で、ツヅミ弾仕様からBB弾仕様へと変更があったんじゃなかったかな。
で、やはりというかなんというかターミネーターモデルも製作されたのだが、いやはやコレがまたなんとも形状が似てないなんてもんじゃなく別銃。シルバーじゃなくて普通に黒だし。
ぱっと見はいいんだけどね。
まぁここまで書けばわかるように買いましたよ、これ。

操作方法もすっごく独特、ボルトアクション方式に似ているといえば似ている。
まずトリガーを引く(弾は出ない)。
何を言っているのかわからねーと思うが(以下略)。
トリガーを引いた状態でハンマー(撃鉄)に当たる部分をちょっと押してやると側面のサムセイフティが外れ、後方にポンプが入っているシリンダー部が飛び出す。
トリガーから指を離し、シリンダー部分を引いてさらに前方に押し込んでやるとロックがかかり撃てる状態になる、という機構。
当時としてはスプリングが強めだったのかかなりパワーがあったように記憶してるが、思い出補正かもしれない。
安い粗悪な軽いBB弾を使ってたんで(知識も財源も乏しかった)飛距離につれて弾道が浮き上がっていたことを思い出すが、この現象が現在定番となっているホップアップシステムへと繋がっていったんだろうな。

さて、そんなめんどくさいハードボーラーでも慣れればかなり連射が効くようになるもの。でもいったい弾倉はどこに?
そうです、ターミネーターではレーザーサイトとしてマウントされていたスコープ部分が全部弾入れなのです。
一応スコープ中央には鏡面加工された細い筒が配置されていて、ミラースコープとか言われてたような気もするんだけど怪しいもんだ。
給弾は自由落下方式、銃を動かすたびにジャラジャラ音がするのでうるさいんだけど、100発以上は装弾可能だったんで1ゲームで弾切れを起こすことだけは無かった。
いわゆる映画やドラマやアニメのようなフィクションでありがちな無限弾倉銃かってくらい撃ちまくることが可能だったわけだ。

今では本物のハードボーラーの方に違和感を感じるくらい、と言うと言いすぎなんだけど、実に印象深いエアーガンではありました。
最近この銃の雰囲気を感じたのがエアーガンではないトイガンなんだけど、ディエンドライバー。
変わったモノ好きなところは、変わらないなぁ。

2010年11月8日月曜日

Guns N' Memories 1

Steel Child O' Mine



MK-Ⅲメンバーズ北方



むかし。
サバイバルゲームが流行り始めていた頃、自分も銃に興味を持ち始める年代であった。
モデルガンが規制を受け、代わりにエアーガンが台等してきていた時代。
ツヅミ弾からBB弾へシフトしていった時期でもあるのだが、「マルゼン」の組み立て式エアーガン「S&W M59」もその一つであり、自分が最初に購入したトイガンであった。

当時自分の父は、たとえおもちゃとはいえ銃などの人殺しの道具を子供が持ったり戦争アニメ(ガンダムとか)を見たりするのははいかがなものかという考えを持っていて、購入にいたるまでには一悶着あったことが記憶の隅に残っているのだが、そんな父と人をバッタバッタ切り殺す時代劇や銃で殺人する西部劇なんか見てても特に言及は無く、矛盾を感じつつも可笑しかった事をも記憶している。

さて。
ABS樹脂(強化プラスチック)用接着剤などを使用し意外に強いバネの力に翻弄されつつ(非力)苦戦して作り上げたS&W M59。
持ってみると自分の手にはグリップが大きすぎ非常に操作し辛かったうえ、形状からスライドをロックするまで押し込むのに大変な苦労を要した(非力)。
操作は、カートリッジ(薬莢)の先端にBB弾を詰め、マガジン(弾倉)に装填。デフォルトでオープンしているスライドを押し込んでコッキング(空気を圧縮)。
トリガー(引き金)は二段引きになっていて、一段引くと弾丸が発射、深く引くとバネの力でスライドがブローバック(後退)、カートリッジが排莢される(ライブカートアクション)という現代のエアーガンには無いギミックを搭載していた。
カートリッジが勢い良く飛んでいく様はトイガンにしてはなかなかかっこよく思えるのだが、如何せん紛失という恐怖感が子供心にはあり、野外では特に思い切っては遊べなかったものよ。
そういえばカートキャッチャーってのもあったなぁ。
ライブカートアクションはその後廃れ、ショットガン弾倉やリボルバー(回転弾倉)式拳銃の一部にその名残を留めるだけとなってしまった。

実銃の世界では弾丸そのものの進化が銃の形状を誘導進化させてきたのであるが、トイガンにおいては6mmのプラスチック小球「BB弾」が今も代わらずエアーガンの弾としては100%に近いシェアを占める。
このBB弾の実用化を行ったメーカー「マルゼン」はのちに8mmBB弾なども開発、堅牢な作りで良質なエアーガンを作り続けているようだ。

2010年11月7日日曜日

牙狼ってなんGARO

見所は胸元、二の腕、太もも・・・だけではありません。



津田です。



日本初の全編フルデジタル3D映画「牙狼〈GARO〉 ~RED REQUIEM~」を観たよ。

雨宮慶太作品はゼイラムを見てるくらい(未来忍者も見てるかもしれん)なんだけど、その独特の造形感は特撮界では広く浸透していると思われる。
実は『牙狼〈GARO〉』が元々TVシリーズだったってことは全然知らなかったんですが、全く問題なくストーリーを楽しめるように製作されていることは実に良心的配慮といえよう。
昨今、一見さんお断りな作品も多く見受けられる中、好感が持てる。
ただ物語は実にオーソドックスで単純明快、ひねりもなにもない完全ヒーローアクション映画だ。
なのですんなり映像だけを楽しめるし、ただひたすら主人公鋼牙のかっこよさを堪能すればよい。
こんなに硬派な主役も今時珍しいので逆に新鮮かもしれない。
白コートでの活劇は実に絵になるし剣戟もしっかりしている。
クレジットタイトルはアニメとかではありそうな演出なんだけど、実写ではなかなか見ないか。一歩間違うとギャグなんだけど大真面目に淡々とこなしてるのが単純ながらも凄いと思った。
よくまぁ長きに渡り自分のカッコイイヒーロー像はこうなんだぜ、と臆面もなく映像化できるよな、清々しさすら感じる。

CGと実写の境目を意識することもなく、見やすいフォーカスに編集した3D表現に努めているということもあってほとんど目の負担にならない3Dであった(個人差があります)。
ただサブタイトルであるRED REQUIEMの意味はよくわからなかった。

しかしシルバーアクセ風の使い魔、魔導輪ザルバ(声:影山ヒロノブ)の存在が端的に示すように、いわゆるDQN系の人々にもおそらくは受けが良かったんじゃないかと思う。
実はその手の人々ってこういうオタク系趣味を潜在的に持っているんだと思うのよね。相反するという主張もあろうが、系統は違えど同族嫌悪に近しいんではあるまいか。
もちろん全ての人がそうだといっているわけじゃなく、ね。

ともあれ、想像以上に見所の多い良質な映画であったことは間違いないと思う。
世間的にも好評価であるようだし。
TV版も見てみたいね。
パンフと付属の御札とGAROチェンジングカード(いわゆる3Dホログラム)。
提供:光子企画