2010年9月14日火曜日

故郷は地球

アール・デュマレストはさすらいの渡り者。



津田です。



日本では東京創元社から出ているスペース・オペラ超大作〈デュマレスト・サーガ〉の作者E・C・タブが、現地時間2010年9月10日ロンドン自宅にて逝去、享年90歳。
黒いシックな背表紙と幻想的で美麗な表紙、「~の惑星~」という表記のタイトルでおなじみのシリーズですが、幼いころ偶然地球に来ていた宇宙船に密航したデュマレストが、大人になり望郷の念にかられ故郷へ帰ろうとするけど誰もそんな伝説上の惑星「地球」の座標など知るものは存在せず、孤独な大宇宙の中で果てしない故郷探しの旅が始まったのだ、というストーリー。
原著刊行が1967年、邦訳が1982年からで、1985年の第31巻が1989年に翻訳されている。
2008年に全33巻でちゃんと完結しているのは、とても偉いことだと思います。
いつものように全然読んだことないんですが、光子企画さんによれば今のところ最新の翻訳第31巻「最後の惑星ラニアン」では、さぁこれから地球へ!というところで終わっているらしい。
第32巻"The Return"(1997)、第33巻"Child of Earth"(2008)とタイトルだけ見ればちゃんと故郷、地球へ帰れたのかなぁと思うけどどうなのデュマレスト。
追悼として近いうちに完訳して欲しいところです、がんばれ創元。
いまだ翻訳がなされていないのは宇宙友愛教会(このサーガに出てくる、全宇宙に完全なる友愛を及ぼすことが、すべての苦痛、絶望への解答を握ると主張する宗教団体・・・日本でも最近聞いたような気がする)の陰謀であろうか。

“書庫”には何故か2冊ずつ(巻によっては3冊)あるのでお借りしたい(完訳したら読もう)。


そうだぼくらの故郷は地球。