1886年発表『未来のイヴ』は仏作家ヴィリエ・ド・リラダンのSF小説。
「アンドロイド」という言葉を最初に用いた作品と言われていて、ギリシア神話「ピュグマリオン」を下敷きにした作品といえば解り易い。
ピュグマリオーン王は大した人物で現実(三次)の女性に絶望した!ので自ら理想の女性を彫刻(フィギュア)、その彫像に入れあげて死にそうなのを見かねたアプロディーテー(彫像のモデル)が彫像に生命を与えてくれたので嫁にした、それなんてエロゲ?
リラダンも負けてない。ポーに熱中してたリラダンは若い頃ほぼ1年を費やして一人のイタリア女性以外には誰も登場せず彼女の描写だけで1巻すべてが終始している物語をひたすら書きこんだ。
チュリヤ・ファブリヤナ伯爵夫人の物語ともプロフィールともつかない肖像画作品『イシス』(ISIS)である、しかも未完。そんじょそこらの黒歴史は足元にも及ばないだろう。
そんな彼が描いた「未来のイブ」だから相当なもの。
理想的な魂の無い機械人形であるアンドロイド、その名もハダリー(理想)を作るのはかの発明王トマス・エディソン。
このメンロパークの魔術師、
「われわれの神が科学的にしか考えられなくなった以上、どうしてわれわれの愛を科学的に考えてはいけないのでしょう」
なんて言ってそそのかしたりなんかしちゃったりする、悪魔かお前は。
まぁアンドロイド、人造人間はヒトのヒトたるエッセンスを抽出、より良い存在であるよう作られるモノが多いので、愛しさや切なさや心強さもより倍増してるはずだから、ヒトより愛される存在であることはおかしくない、と人形萌え等を擁護いうこと。
津田です。
詳しくは押井ちゃんの「イノセンス」とか、星新一のボッコちゃんとか。
「人間は人間に近いモノが人間的な動作、姿形から逸脱することにとても敏感である」というのは「不気味の谷現象」として有名だが、アンドロイドの例を挙げるまでも無く同族嫌悪の概念と近しいよな。
神も人を愛し同時に嫌悪するとされるのはよくわからない感じだったけれど、不気味の谷現象で考えればなるほどうなづけるところもありそうではある。
夢見る人々に 嘲笑ふ人々に