2010年10月5日火曜日

Y・M・D!Y・M・D!

いつも酔っ払って電話してくる荒廃後輩のYMDから電話があったよ。



あなたの魂に北方。



また酔ってグダグダな話に、と思いきや神林長平「あなたの魂に安らぎあれ」が、まだ途中ながらも面白すぎて電話してきたらしい。
讃岐の王子様からはディックを薦められ、かなりのSFモノの成長株ではあったんだけど神林の面白さにも目覚めてくれたようでなにより。
「文章というか視点が優しいんですよね」と言ってたが、「読み続けているとそのうちに“力強さ”も垣間見えていく過程が面白いんだよ」と答えておいた。
結構難解な「永久帰還装置」も読んでいるようで、太陽のにおいがするというくだりから「太陽の汗」とかも薦めておいたが、まずは雪風シリーズと敵は海賊シリーズだろう。
もっと早く読んでいればとこぼしていたけど、自分自身は読む時なんて死者の視点からは関係ないというカルヴィーノ視点を導入しているし、いまから正に面白さ保障付きの小説が未読で読めるなんてうらやましいくらいでもある。

こんなふうに少しづつでも幸福な連鎖が広がってゆけばよいと思うし、ファンを1人でも増やせることは幸せなことでもあるなあと感じる。
ハードな音楽が好きなYMD氏であるから「ライトジーンの遺産」のヤーンの声辺りがお好みかと言えばやはり、エグザントスの骨も好きらしい。自分はセシルの眼辺りが怖くてよかった。連作短編形式を取ってるんだけど書き下ろしなんだよーという豆知識も教えといた。

飛浩隆「グラン・ヴァカンス」(だっけ?)を薦められたので近いうちに読んでみたいと思う。
わずかばかりでもSFの面白さを伝えられることは、幸いである。