「地球上陸命令」原題“Assignment: Earth”はTV版邦題「宇宙からの使者 Mr.セブン」。
・・・いつもながらにいいセンス。
津田です。
この話、実は同タイトルでのTVシリーズ用パイロット版のものとして考えられていたらしいです。
スタートレックからのスピンオフ作品になってた可能性もあるんですねー。
で、エンタープライズ号は初っ端から既に1968年の地球周回軌道上、このエピソードの放映年と同年。
この年に起こる歴史的危機を人類がどう乗り越えたのかという調査にやってきたわけですが、吹き替え版では1975年に、小説版では1969年になってる。
まぁSF作品では年代問題なんてよくある話ですが。
でもすごいのがスポックの台詞。
スポック:「この時代の地球には重要な問題が山積しています。今日は大問題となる暗殺事件が起こり、またアジアの某国でクーデターが行われるでしょう。…さらに地球にとって危険なのは、合衆国によって核弾頭を装備した衛星が打ち上げられることで、これが成功した場合反対勢力も対抗手段に出るでしょう。」
放送が3月29日らしいんですが、4月4日にはマーティン・ルーサー・キングが、6月5日にはロバート・F・ケネディが暗殺されてますよ。
スタートレックってすげぇな。
物語は地球からある惑星に連れ去られ高度な訓練を施されたエージェント:ゲーリー・セブンが、誤ってエンタープライズ上で実体化してしまうところから始まるのですが、このとき黒猫アイシスを抱っこしてるビジネススーツ姿はかなりシュール。
そのあとスポックもアイシスを抱っこしてなでなでしながらかわいいっていってる(ラブリーアニマルって)。ヴァルカン星人もお墨付きのカワイさ抜群アニマル猫。
NASAの資料映像(サターンVロケットとか)もあり見所も多く、テーマ的にもロッデンベリーの「人造人間クエスター」に近しいところもあり、考えさせられます。
つまり人知を超えた科学的な何者かに見守られ守護されているが、それも完全なる全知全能者ではなく未来の我々の姿でもある、というような。
ま、そういうセブン氏のスポンサーが黒にゃんこの姿をとっているのはなかなかに象徴的であるとも申せましょうか。
すなわち猫は神。
アイシス人間形態挿絵&TVバージョン
"Live long and prosper, Mr. Seven."