2010年7月22日木曜日

怪奇の事件は誰の仕業?

科学を善に使うよ!



津田です。



ピエール・ルイ・アドリアン・シャルル・アンリ・カミの『機械探偵クリク・ロボット』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)を読んだ。
機械探偵っていう冠詞がいい、わくわくするねぇ。
なんで、ロボット刑事とか特捜ロボとかを想像しちゃうけど電人ザボーガーだった件。

しかしこの本、1945年と1947年の中篇2編、60年以上前の推理小説の新刊っていったい。
カミはユーモア作家として名高く、かのチャップリンも「世界でいちばん偉大なユーモア作家だ」と発言してるほど、俺全然知らんかったけど。
とりあえずルーフォック・オルメスという探偵が出るホームズ・パロディ譚も書いてるようです。

内容はユーモア小説の名に違わず凄まじいまでの駄洒落オンパレード、田中啓文かと思った、どうやって訳したんだこれ。
ミステリとしては非常にオーソドックスにまとまっており本格派、破綻は無いし後半の「パンテオンの誘拐事件」などはしっかり社会風刺も入っておりテーマ性もあるという懲りよう。
そうそう、映画「カタコンベ」をちょっと思い出した。

古代ギリシャの偉大なる発明家の直系の子孫ジュール・アルキメデス博士が創造したこのクリク・ロボットは、<手がかりキャプチャー>、<推理バルブ>、<仮説コック>、<短絡推理発見センサー>、<思考推進プロペラ>、<論理タンク>、<誤解ストッパー>、<事実コンデンサー>、<情報混乱防止コイル>、<真相濾過フィルター>、<自動式指紋レコーダー>、<解読ピストン>、<額型映画フィルム・カメラ>、<眼窩式カメラ>、<首長潜望鏡>、<鼓膜式録音マイク>、<二重蛇腹式鼻型匂いセンサー>などを装備。
博士が息子のように思っているクリク・ロボットの各種装置を操作して難事件を解決していくという筋立て。
クリクはまぁ自我もあるようなんだが。

なかなかに珍しいスタイルなんだけど、大門豊と電人ザボーガーの関係を思わせるところがあるなぁと思った次第。

ポケミス(ペーパーバック・スタイル)初めて買ったんだけど、こういうのも味があってなかなかいいね。



そういや「電人ザボーガー」来春映画化らしい、こちらは36年ぶり。
監督:井口昇。
「青年期の章」「熟年期の章」の2部構成。
配役↓
大門豊:板尾創路(知らない)
大門の青年時代:古原靖久(「炎神戦隊ゴーオンジャー」ゴーオンレッド)
大門の父・勇を竹中直人
悪之宮博士:柄本明

肝心のザボーガーは555のオートバジンみたく現代風にアレンジ、アップデートされてカッコよく・・・はならないよなやっぱり。