ファイヤーフォックス北方。
ファイアフォックスと言やぁ今じゃブラウザだが自分にとってはMiG-31(クリント・イーストウッド監督主演)。
そんなことは置いといて、読み返してみて狐と踊る時代からフムンは健在でしたな。
この神林長平初期短編集は、これから続く長編の習作のようであり、姉妹編でもある作品を見出すこともでき、他作品を知るほど味わい深さが増す。
「ダイアショック」にはマルガンセール星人の記述があり「敵は海賊」宇宙とのつながりを思わせるし、「忙殺」では火星三部作を思わせる記述があることも今回再発見した。
新収録の「小説推理」掲載の1984年から1987年までの4作品は、推理小説というよりは心理ミステリとかホラータッチでいて神林節もしっかり効いている。
「落砂」とかそのまま世にも奇妙な物語で映像化されそう、でも映像だとオチが弱いか。文調は魂の駆動体とかそんなのか。
「蔦紅葉」は娘母モノだが作中作に姉弟モチーフ、海賊も、えろい。
「縛霊」は死して咲く花っぽくも。刑事モノ。全然違うが無限心理警察刑事OZとかいたなぁと思った。
「奇生」は七胴落としの後日談風でもある。
解説は音楽から引いて神林作風を語っている。
いくつかの同じ主題や好みのモチーフを手を変え品を変え表現しているように見受けられる神林作品はまるで、絵のようだな、と思ったことはあるが、音楽的にはそうロンド形式のようなものなのかもしれない適当なこと言ってますよ今。
あと美とは恐怖に似ているというのは、宇宙大作戦「真実に美なきや?(TV版:美と真実)」を思い起こさせたり。
そういえば又聞きも又聞きなんだが「恐怖には2種類しかない。あってはならないものがあることと、あるはずのものがないことだ」というけだし名言だなぁというのを思い出した(神林関係ないが)。
なにはともあれ、久しぶりに神林分を補充、満喫しましたよ。
フムン