上舞です。
今日はキャンバスを張る手伝いに行ってきたよ。
白いマットのジャングルなのかなと思いきや、ジェッソ(白色顔料)という下地が塗られていない亜麻色の髪じゃない布でしたよ。
なかなか上手にシワ無く張るのが難しく絵を描く前に既に疲れてしまいそう。
もちろん現在下地済みキャンバス製品はある。
日本画なんかは下絵にOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)を使用する人もいるらしいという話も聞いた。
デザインの世界では昔の道具が使いこなせないということが顕著であるという話も聞いた。
確かに製図などで鉛筆が削れなくてもCADが使えればいいわけだ。
絵筆や絵の具の特性を知らずともコンピューター上で絵は描けるし、正確な文法や言葉使いを知らなくても文章表現はできるだろう。
ようは目的を見失わなければ手段などはどうでもいいとは言える。
より効率的手段が取れるのならばそれに越したことはない。
だが、それで同じものを表現することは出来ないということは、確かだ。
優劣は別として。
SFは絵だという端的な表現から、絵はSFを内包するということも可能かもしれない。
木枠の裏表を間違えたり布を引っ張る道具を逆に使ったり布を裏表逆に張ったり(これは指定)しながら、白く鏡面のように磨いて輝くキャンバスに黒々とした墨汁で画面いっぱいに大きく「白」と書いてタイトルは「99」にすると面白いなぁなど夢想しつつ、煙霧たなびく皿倉の夕闇を観賞して帰路に着いたのであった。