海外SFミステリー傑作選にハードボイルドの始祖ダシール・ハメット「暴力のまち(「新任保安官」の翻案)があったな。
北九州市のことではありませんよ……多分。
津田です。
バイオレンスといえばジャックで定番どころだろうと思います。
他の永井豪作品もそうですが、このバイオレンスジャックも後々続々と発表される漫画やアニメやラノベの原型をすでに豪快に形作っているといっていいんじゃないでしょうか。
まさにダイナミックプロ。
ここからマッドマックス2からブラック・エンジェルズや北斗の拳、スクライドに至る流れを考えると、洗練さは上がってるけどスケール感は下がってるように感じることは否めない。
暴力というのは方向性のある力のことで、強い(と思っている)方から弱い(と思っている)方へ行使され、結果それが(思っているとおり)一方的であるなら、暴力が成立する。
普通、力の行使にはそれ相応の反作用が生じるはずなのだが、その力は直接行使者には向かわず、他のベクトルへ転化したりルサンチマン状態に陥ったりするようだ。
通常、暴力は対人関係でのみ発生するが、理不尽さを感じながらも従わざるを得ないような巨大な力、たとえば自然災害などに対しても同様に受け取るような人もいる。
この場合、自然を擬人化することによりその抗いようのない力にすら対抗できるように思い込ませることでしか、その無機質で純粋な力には耐えられないからではないだろうか。
つまり、人は暴力に対しては抗うことができるのである。
これから派生して考えれば、人類の神に対するストックホルム症候群とかいう考察もできるかもしれない。
伊藤計劃「虐殺器官」それに続く「ハーモニー」、冲方丁のマルドゥック・シリーズなどが、暴力を取り扱った作品としては最近よく取りざたされてるかな。
だれかうまいこと書いてたけど、ヒューマン・ミーツ・デウスエクスマキナの物語は結構類型がおおいよね。