2011年2月1日火曜日

Accel -加速の記憶-

Sense of Wonder FOREVER AtoZ/運命のSFメモリ



津田です。



機械装置としての加速能力っち言やぁアルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」をその嚆矢とするが、その後も各所でお見受けする定番中の定番、人気の能力であります。
以前、SF強化合宿でのアンケート企画においても、使うたびに頭が悪くなるという対価を持つ設定ながらもダントツで「加速能力」が欲しいという人が多かったことでもその人気っぷりが垣間見えようというもの。
みんな速さが足りないと感じているのね(みんな禁止)。
「虎よ、虎よ!」において加速装置のスイッチは奥歯に隠されてるんだけど、石ノ森センセはパクリ過ぎであるよ。
なんで戦隊モノや平成仮面ライダーにはこの手のガジェットはおなじみのものだ(ファイズアクセルやクロックアップシステムなど)。
古くは“八番目の男”「8マン」にも搭載、生身での超能力としての加速能力はジョジョのスタンド(スタープラチナなど)やラディカル・グッドスピード(スクライド:ストレイト・クーガー)などが代表的なところか。
逆に、バーチャル世界において使用者の周囲の時間を1/1000に減速させる装置としてタイムブースターってのがあったが、これも類似品といってよいだろう。

さて、人間の反応速度を加速するというアイデアが使われた最も古いSFは、H・G・ウエルズの短編「新加速剤(The New Accelerator)」であり、その方法は薬物でのドーピングによるものであった。
人間は自らの脳内分泌物でも反応速度を高めることが可能なことは、日常でもよく知られていることなので、非常にリアリティがあるといってよい。
特殊相対性理論発表の4年前に書かれたというこの作品、高速で動く物体の時間は遅れるということを直感的に表しているそうたい(嘘)。
少々乱暴だが、実は突き詰めればニュータイプ能力の大部分がコレだということも可能だろう。
時間をかけたほうが人はより分かり合える……場合もある。

速さというのは大きなアドバンテージであるとともに、同様にリスクが伴うことを、我々は知っている。
しかしながらそれでもなお速さを求めるその心とは、いったいどういうものなのであろうね。

そして何よりもー!
速さが足りない!!