2010年6月25日金曜日

The March of the Black Queen

ツキは無慈悲な夜の女王様だったり。



津田です。



考えてみれば「はやぶさ」はヤマトよりエンタープライズより長い年月を単独航宙してきたんだなぁ。

そんな「はやぶさ」も偉大でしたが、2009年6月29日に無事、月へ届いた漆黒のビジュアルクイーン月周回衛星「かぐや(SELENE)」も素晴らしい成果をあげた機体のひとつでした。

十年余りの下積みを経て、子衛星2機(リレー衛星「おきな」・VRAD衛星「おうな」)を共に連れ、NHKのハイビジョンカメラ(HDTV)で魅せる 「地球の出(アース・ライズ)」、「月の裏側」をはじめ数多くの美しい月面の映像を我々に届けてくれたことはまだ記憶に新しいことと思います。

約一年半にわたる華麗なライブを危なげなく続けられたその機体は、これまで日本が開発した天文科学衛星の倍以上のボリュームを誇り、「はやぶさ」の6倍もの重量というグラマラスさ、まさにビッグスター。

ハイビジョンカメラを含む15もの観測機器のほとんどは下面集中配置、推進系は堅実なスラスタ群を後面に集中配置という運用に即したものだが、片側だけに展開する太陽電池パドル、12mに達する磁気観測装置と四方に十字に伸び広がる月レーダーサウンダアンテナ、常に地球に向けられ“かぐや”の情感あふれる声を届け続けるハイゲイン(HG)アンテナ、と非対称にアグレッシブな外観でありながら機能美としての優雅さも持ち合わせた、月の女神に相応しい艶姿とはこのことであろうか。

ペーパークラフトは作ったことありますが、アオシマには是非ともプラキット化していただきたいものです。(が、まぁ次期スペースクラフトシリーズはHTVだしその後も「あかつき」きゅんとかあるだろうしなぁ)。

とまぁ今更とも思われるかもしれないが先日(といってもかなり経ってしまったが)お土産で頂いた「しきしまふげん」(現代萌衛星図鑑の人ね)の同人誌をつらつらと読んだからなのである。

驟雨様、その節は貴重な本をありがとうございました。



生憎の天候で明日26日の夕方から夜にかけての部分月食は観測できそうにありませんが、月を見上げることがあればたまには“かぐや”のことも思い出してあげてください。

そうそう、今年は日本で月食が3回ある珍しい年で、部分月食は元日未明に続き今回で2回目。

12月21日には一部地域を除き皆既月食となるそうですよ!

楽しみですね~


はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま -持統天皇-