津田です。
というわけで日本が世界に誇るハード宇宙SF作家である野尻抱介『沈黙のフライバイ』を“書庫”から借りて読んだよ。
素敵表紙なので皆も「カバーはいらないです」とエコを気取って買おう(まず俺がそうしろ)。
短編集なのですがその豊富な科学知識に裏づけされた空間的飛躍の先にはいつも宇宙を見上げる憧れの眼差しがあることを感じずにはいられないだろう。
全国の小中学校の図書室に完備すべき。こども手当てとかで。
科学っぽいことに惹かれるけど理解力に乏しい俺みたいなのでも非常に解り易いビジョンを提供してくれる文章表現力がさりげなく巧い。
相当な頭の良さに加えて上品な慎みのある感性の中にも、しっかりとした情熱をも感じさせる作風は、読者に自然と科学を理解したいと思わせる誘導灯にも似ている。
まぁ、なんだか読むと頭が良くなったような気がしてくるから不思議だ(幻覚です)。
また、自分にもなんかできることをやってみたいなぁ(しないんだけど)と思わせたりもしますよ。
急激な熱狂ってのはないんだけれど、じわじわと底上げされてくるような感動がある。
オススメです。
こうなってくると他作品が気になりますな。