初音ミクはすでにSFの一ジャンルです。
某禍ロイド北方
つうわけでみなさん今月号(2011年8月号)のS-Fマガジンは買えたかにゃー。
最初から最後までみっくみくな感じの中、なんだか初音ミク特集の序文のような位置にある
神林長平の「いま集合的無意識を、」が凄いぜ!!
神林作品は現在SF的にも注目されているすべてのライトノベル作家の原典みたいなもんだから、水割りやロックなんかもいいけどたまには生の酒でガツンと酔うのもいいぜ。
今回は最初口当たりまろやかだなーとか思ってると、いきなりテンションが上がるのでクラクラしちゅう。
は、はやく次作をお願いいたします(中毒)。
実はミクよりこの読み切りが楽しみだったんで、このためだけにも買う価値があったというもんだ。
ほんとですよ、ミクにつられたわけじゃないんだってば!(力説するな)
さて、特集の短編は
・山本弘「喪われた惑星の遺産」
・泉和良「DIVAの揺らすカーテン」
・野尻抱介「歌う潜水艦とピアピア動画」
の三篇。
山本さんのは金星探査機あかつきを題材に取っており、タイトルからしてすでに出オチなんだけど非常に良作。無常観を漂わせつつもつながり広がりゆく初音ミクの本質の一端がある。
泉和良って初見だなぁと思ったらアンディー・メンテのひとでびっくり。ジェバンニPのひとでもあったのね。作風はあんまり好みではないものの、アイディアは面白いと思うし詩的で美しいと思う。
トリを務める野尻センセのは、軽いながらもリアリティにおけるハードSF感はがっちり押さえつつ、いい年したオトナこそ楽しめる最高のジュヴナイルでもあるという最高のミクSF。
ひとことでいうと、胸熱。
おそらく日本史上最もよく売れたSF専門誌の号であろう今月のS-Fマガジン。
乗るしかない!このビッグウェーブに!
表紙裏表紙のポーズが似てるんで注意な!