上舞です。
というわけで北九州市立美術館で「琳派・若冲と雅の世界展」がやってますよ。
お題目になってる若冲作は「雪中雄鶏図」(若冲のフルカラーはこれだけ、雪の表現がリアル)、「群鶏図押絵貼屏風」(だっけ?)など6点くらいと少ないけど、屏風に連なる鶏の迫力は凄かった。墨だけで勢いに任せたような筆遣いはまるで動いているよう。
やっぱ鳥って恐竜の子孫だよなーってことがつくづくわかるよ。
似せたように多分弟子が描いたものもあったが、劣化コピーのようで素人目にも違いが一目瞭然にわかるのが面白かった。
あと屏風画って人間の視野の広さと立体視と見たいものだけに焦点を合わせられる画像処理機能を再現しているようにも思った。
若冲を期待していくとハズレかもだが、それ以外にも見所は多く、住吉如慶「きりぎりす絵巻」とか虫擬人化で日本は昔から未来に生きてる。
馬はカエルで牛はナメクジだった。カマキリもいてガタキリバの歌が脳内をリピートして困った。
琳派では作者未詳ながら「四季草花虫図屏風」はこれまた虫探しが楽しい。
そうそう鈴木守一の「桜下花雛図」は掛軸なんだけど、中回しの下部に四つん這いになったネコ耳ネコ尻尾の少女雛が描かれており狂気すら感じた。
金魚玉は金魚を正面から描いており視点の自由さ奔放さを感じさせられたり、闇を描くことで月を浮かび上がらせるという描かずとも表現できる技法に逆転の発想を感ぜられた。
日本の、今となっては伝統だかなんだか知らないが、当時のセンス・オブ・ワンダーを存分に感じることが出来る今展、鮮やかな雅の世界に新たな視点で楽しんでみるのもまた一興ではないだろうか。
追記:そういえば今朝方かなり吹雪いてて帰り大丈夫かと思ったが、玄界灘で暴風雨に遭遇した際、狼から助けたウサギが海に身を踊らせ荒波を鎮めたという民話を基に作られた博多銘菓「雪うさぎ」のミニマスコットを光子企画さんが持っていたので大丈夫であった(お土産贈り物にどうぞ)。