2010年11月15日月曜日

バベルへの旅

話しがまとまらない会議のことをバベルに例えるようだけれど、なかなかに皮肉なタイトルであるととるか、それでもそれに向き合う前向きな姿勢ととらえるかはひとそれぞれである。


上舞です。



TV版邦題「惑星オリオンの侵略」は異星人がたくさん出てきて楽しいエピソードであると共に、スポックの家族間のホームドラマとしての側面も持ち合わせており、TNGの雰囲気を感じさせるエピソードでもある。
ヴァルカンの挨拶である、人差し指と中指、薬指と小指をくっつけてV字を形作る超有名なアレの初出であると思われる。
当時のトレッキーたちによって考案され、各々の指がヴァルカン哲学の意思を表示しているといわれており、小指はIDIC(無限の多様性による無限の調和)、薬指はノーム(全ての意)、中指は感情を克服した論理優越の信条、親指は個性の尊敬である、とされてるようだけどホントかにゃー。
決してメイドのMの形ではありませんよ。

2267年、惑星コリードの連邦加盟を承認するかどうかをめぐり、小惑星バーベル(TV版)で開催された星間会議の出席者は、アンドリア、テラライト、ヴァルカンなど32名の大使を含む140人の連邦代表。
かくしてエンタープライズ号で二週間をかけての会議場バベルへの旅路で、事件が起こらないわけはないのであった。

スポックが子供時代、セーラットという肥ったテディ・ベアのようなお気に入りの動物をかわいがっていた(ただし6インチの牙を持つ)という話や、小説版ではジェフリー管の名称が早くも登場していたり興味深い。
ちなみにジェフリー・チューブってのは宇宙艦内の作業用連絡通路のことなんだけど、船かなんかで本当にある専門用語かと思ってたら、初代エンタープライズ号をデザインした美術監督マット・ジェフリーズの名に由来するって知った時にはたまげた。

サレック大使の手術や正体不明の高速船の攻撃、カーク船長も刺されたりするしかなりの緊張感をもったエピソードなんだけど、最後はなんだかほのぼの。いつもは言うことを聞かない2人をベッドに寝かしつけてご満悦のマッコイも見られるよ。

しかしヴァルカン人、というかサレックとスポックの父子関係ってなんだか海原雄山と山岡士郎の関係を思い起こさせるとこもあるな。

TNGの「英雄症候群」で再演するサレックは老いて病魔に犯された姿での登場となるんだけど、長年続いてきたシリーズならではの重みっていうものが感じられますよね。

スポック「感情的なんですね、彼女は?」
サレック「(アマンダは)いつもこうなのさ」
スポック「本当ですか?なぜ結婚なさったのです?」
サレック「その当時はね、そうするのが論理的と思ったもんでね」