津田です。
野尻抱介『太陽の簒奪者』を読んだよ。
最近ではすっかりパンツ型オーニソプター(羽ばたき飛行機) の製作者兼商品化された「空飛ぶパンツ」の監修で知られるSF作家の野尻抱介さんですがれっきとした日本が世界に誇るハード宇宙SF作家であります。
というか正攻法というか王道というかここまでハードパンチャーな日本人SF作家は久しぶりに見た気がする。
しかも読みやすいし。
これなら若い子達にも堂々と薦められるというものである。正にSFの真髄。
表紙イラストは、まえばりすととしても知られる撫荒武吉。
なぜかエロ系と縁が深いSFですが同じ撫荒武吉とは思えないテイストなのは人の多面性を表現しているのか。
岩郷重力+WONDERWORKZのデザインによると思われる、カバーのそでに続くイラストは大変素敵で読後感を非常に高めてくれるであろう。
公共交通機関内で読んでも恥ずかしくない装丁ではあるが、作家の名前で恥ずかしくなるような気がしなくもない今日この頃の野尻さんの活躍ぶりですが、全然そんなことはないよ多分。
まぁ冗談はさておき、代表作とされるだけあって本当に誰にでも推薦できる数少ない日本SF小説であるということは断言できる。
ニコ動などにいろいろ忙しい日々を過ごしていらっしゃる野尻先生、たまには長編SF作品のことも思い出してあげてください。
『太陽の簒奪者』を超える長編SFを、期待しています。
「代表作は次回作だ」って何のセリフだっけ?
おりしも2010年3月6日(土)は『空フェス!』が開催され、野尻さんも星雲賞受賞SF作家として参加されるそうです。
空フェスは「空を飛ぶもの」にあこがれる人たちが、自作飛行機を飛ばし、空について語り合うイベント。
素直にすごいなぁと思うのでありました。
空フェス!オフィシャルサイト http://enjoynicolive.com/event/sorafes/
件の「空飛ぶパンツ」(商品のサイト) http://questioners.co.jp/gang/atc009/index_atc009.php