2009年10月9日金曜日

夏の戦争

SFじゃなかった・・・

※注※ 「これはSFじゃない」という表現はなにかとNGだろうという指摘も受けたので、津田にとってはSF要素は感じ取れなかったし、作品の宣伝などにもSFという表現は見る限りされていなかった」と表現を追記しておきます。

大家族のドタバタコメディだったよ。

上舞惣一



津田です。



まぁなんというかSFとは書かれてないもんね。

勘違いしてスミマセン。

でも普通に、面白くなかったですよ、この映画。

「時をかける少女」で青空が印象的なイメージでしたが今回は青臭さが際立っていたと思います、悪い意味で。


ばあちゃん萌えで観ればいいんだろうけど全然凄さがない。

電脳コイルのばあちゃんはビジュアル的に嫌いだが魅力的だった。

シャングリ・ラのばあちゃんは多少説得力に欠けたがそれでもアノ作中では好感が持てる方だった。



描き方はいくらもあっただろうに「サマーウォーズ」のばあちゃんは現場を混乱させてるようにしか感じられない。

肝心要の萌えキャラがこの有様だ。

またこの作中では混乱の原因の責任の所在を曖昧にする。悪人を描かない。

人工知能ハッキング(クラッキング)プログラム製作者は作っただけで責任は無いというスタンス。

主人公はわけのわからん迷惑メールに自覚無く返信(セキュリティ意識の低さ)、結果混乱原因の一要因となるが、解答は間違ってたし他にも解答者はいるんだしでセーフ。


奮戦する家族も俺ら地元じゃ名士だし国家権力傘下の公務員多いし身内の始末は身内で片ぁ付けるぜのDQNヤクザ軍団。

なにこれなに。


ネット社会の危うさも題材のひとつとみていいのだろうが、バーチャルなものと実社会の大家族の絆の概念が対立提言されるわけでもなければ、どちらも大切という融和概念が提示されるわけでもない。

ただそのガジェット(インターネット、SNS)は浸透しているだけ。

そのイメージビジュアルは、大人から子供まで一斉にネット戦争を一心不乱に闘っている、携帯電話やゲーム機やPC画面に向かって、という様相だ。

なんだか現状から近い未来ををみせつけられるようで戦慄した。

これは・・・ホラーとして観ればよいのか?

特にラストのばあちゃんのアレはじわじわくる恐ろしさ・・・そうかこれホラー映画だったんだ!


そうか、そうおもうとコレは結構侮れん映画だったのかもしれない。

「あらわし」の使われ方は酷いとか憤慨してたけど、そう観ると今までの矛盾に満ちたストーリー構成が新しく素材となって立ち現れてくるかもしれん。


例えば、ばあちゃん死んでるのに葬式そっちのけでネット戦争準備。目的の為ならば大切にしていたであろう旧家屋なんてめちゃめちゃにしてもいいという価値観とかすごい皮肉なんじゃないだろうか。

この場面なんか悲しくなったことを憶えてる。

純粋と悪意って、似てるよね。



まぁ大家族の絆への憧れがテーマなら変にSFめいたものを入れず、世界なんか救わずともよかった。

普通の現代ドラマ、としてもサマーウォーズらしさは失われなかったはず。 

なんでこんなに話を大げさにした。


また、主人公に大家族に対しての戸惑い(慣れない、まだ苦手)を発言させておいて、ヒロインはおいちゃんといちゃいちゃ寝取られ展開なのに、なんで主人公が唐突に大家族ってなんか良い楽しいとか言えるんだろ。

自分のうちの家族は、ど う な の ? 

うわっ、こわっ。


う~ん、結局言葉きつくなっちゃってこの映画、悪い評価しか出来ないのは、期待してなかったけど多分ちょっとは期待しててんだとは思う。

のに、なんだか世間様の評価と自分の感覚が違うんでムキになったきらいもある。

オリジナルを構築するには練度がまだまだ低い監督さんなのかも。過大評価されすぎと思う。

けど、単に感覚の違いなのかも。

合わない映画に難癖つけてるだけなのかも。

うっうー。

というか人工知能はなんで「あらわし」に固執するん?

恨みでもあるのか。 

どかーん温泉ぴゅーってギャグ要員。

スミマセンここだけで半分くらい悪い評価入ってるとは思います。 


まぁ帰って冷静に考えてみても、 

控えめに言って、この映画は残念ながら面白く無かったです。