2009年3月27日金曜日

誰が、ザ・ミュールなのか

ガンダムOOについて考える


上舞です。



イオリア・シュヘンベルグの計画について

彼は何らかの未来を予見し、現状のままではその未来に至ったとき、人類にとって非常に不都合だと考えたのだろうと思われます。

「人間を信じぬ理想主義者」とも形容されているらしい彼のとった方法は、発見したものや発明した技術のほとんどを隠蔽し来るべき時が来るまでに発展保持、歴史の裏で人類の統合を促すと共に新技術の使用にふさわしい人間の革新を試みた、といったところでしょうか。


いうなればソレスタルビーイングは第一ファウンデーションでありイオリアはハリ・セルダンというところ。

計画がスムーズに行った場合、つまり人類がソレスタルビーイングの圧力により統合し、戦争根絶実行部隊プトレマイオスチームを討った後ですが、革新した人類にご褒美として数々のテクノロジーを託そうと考えていたのではないでしょうか。

そのときに技術などを手渡す段取りをつけ、来るべき対話存在と対峙するための警告を与える仲介者がイノベートであると考えられ、すなわちこれが第二ファウンデーションといえるのだと思います。

イオリアは第一段階の成就にもっともこだわったようですが、やはりここで最大のトラブルが発生します。

仲介者となるべきイノベーター:リボンズの反乱です。

すなわち第二ファウンデーションであるべき存在の彼がザ・ミュールの役どころも担ってしまったのです。

まぁ混乱するよな。

リボンズはソレスタルビーイングの監視者の一人アレハンドロを抱きこみ、新たに三人のガンダムマイスターを製造(リボンズの細胞から作られたとされる)。

第一段階の計画進行を速め、プトレマイオスチームを確実に殲滅するように働きかけます。

このことから、戦争根絶などというありえないようなダミー計画でしたが、実は着実に成果をあげていたのでは?と考えることも出来そうです。

ガンダムチームほんとは優秀だったのか(笑)。

イノベーターは本来ヴェーダの人類観察用端末であり、リボンズは出来損ないで廃棄処分寸前だったという設定のようです。



さて、イオリア計画の評価はどうなのでしょうか。

これとは真逆なことを行い、同じように人類を混乱に陥れた人物がいます。

木星圏で地球由来以外の生命体痕跡を発見し、自分自身は遺伝子操作によって生まれた超人類コーディネーターだよ~と全てを白日の下にさらしだしたガンダムSEEDの登場人物、ジョージ・グレンです。

結果、SEEDの世界ではその後コーディネーターが増加、著しい技術発展があるものの、従来の人類との激しい対立を繰り返す歴史に彩られてゆくのです。




SEEDとOO、俯瞰してみると、新しい技術や発見に対して人間はどのような対応をとるのか、そしてそれは世界にどのような影響を与えてゆくのか。


そのふたつの正反対な事例を物語構造的なところから考察してゆくことも可能なのではないでしょうか。

建設的な意見も述べてみました。