2009年3月9日月曜日

グリゴリー・ペレルマンの失踪

位相幾何学では解けないんだトポ~



津田です。



NHKの「100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪の謎~」の再放送を見るつもりですっかり忘れていたけれど見られて良かったYOU。

現代に感謝。

ロシア人数学者グリゴリー・ペレルマンは数学上の難問のひとつ「ポアンカレ予想」を証明したんだけど今ニート。

なんでなんだぜ?

というあらすじ(おいおい)。

ポアンカレ予想:「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」という予想

はい、もう問題が解りませんレベルだけれど、そこはさすがNHK。

大体わかったかもしれないような気にさせてくれる番組でした。


しかし「みんな自分を滅ぼすものを愛している」というセヴェリアンの言葉どおりのことが、登山家と数学者を例に挙げられて解説されると説得力あるなぁ。


まさに死の問題。だからこそ魅せられるのか。

俺の理解:紐を持って引っ張ってゆき宇宙空間を一周します。始点の紐と終点の紐を引っ張って全部回収できればその空間はだいたい球形なんだと思うよ。(出来ない場合はその空間はドーナツ型とかさ)

で、このポアンカレ予想を証明するためには、宇宙(三次元空間)はどんな形を取りうるのかという問題を考慮することが必要なのではないかとの考えも出てきます。

サーストンの幾何化予想は「三次元閉多様体は一様な幾何構造の断片に分解できるだろう」としており、
宇宙の形は最大で八種類の断片の組み合わせからなるであろうことが予想されます。

でまぁなんだかんだあって、ほとんどの数学者がトポロジー(位相幾何学)を使ってポアンカレ予想を解こうとしたのに対し、ペレルマンは微分幾何学と、数学とともに得意分野であった物理学の手法を使って解いてみせたのである。

この快挙に対し栄誉あるフィールズ賞が授与されのだが、本人はこれを辞退。

その直前に数学研究所を退職しており、その後は無職の状態であるとのこと。


なおポアンカレ予想は数学上の未解決問題としてミレニアム懸賞問題のひとつとなっており、証明した者に100万ドル(約1億1000万円)が与えられることになっているのだが、ペレルマンが受けるかどうかはわからないようだ。

ミレニアム懸賞問題
P≠NP予想
ホッジ予想
ポアンカレ予想(解決済み)
リーマン予想
ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題
ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさ
バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想(BSD予想とも)

人付き合いを嫌い、サンクトペテルブルグの実家で僅かな貯金と母親の年金で生活していると言われている「グリゴリー・ペレルマンの憂鬱」が晴れる日は来るのでしょうか。


数学は自分からすると難解すぎ、理解を体感は出来ないけれど、凄いということはわかるつもり。

幼少の頃、数字と格闘しながら「数学の正しさなどは突き詰めれば数学では証明されえないじゃないか」と文系的思考で考えていたものですが、

「数学理論は不完全であり、決して完全にはなりえないこと」

数学的に証明してしまった「ゲーデルの不完全性定理」なんてのがあるくらいなのだから。


漫画「数学ガール」を読んでみたくなりましたよ。