「インスマスを覆う影」を観ましたよ、地SAN値少とはまさにこのこと。
津田です。
1992年、ギミアブレイクというTV番組枠内で放送された一時間のドラマ映画ですが、現在の目で見ても遜色なく楽しめる非常に良質なクトゥルフものの映像作品だと思います。
脚本:小中千昭ってところであぁこりゃカルト的な面白さは折り紙付きだなと確信しましたが。
小中脚本にそんなに馴染んでいるわけではないんですが、「serial experiments lain」のゲームあたりから意識しだしましたかね。
lainはアニメも観たしシナリオ集を買ったな。
デジモンはテイマーズしか観てないんだけどこれも小中脚本で驚いた記憶がある。
ガサラキとかビッグオーとかもそうなんだよね、自ら特殊脚本家を名乗ってるだけはあって特殊な感じだ。
さてドラマはH・P・ラヴクラフトの生前に出版された唯一の短編「インスマスの影」を、日本の架空の閑散とした漁村「蔭洲升」に舞台設定を変えて作られている。
赤牟(アーカム)、壇宇市(ダンウィッチ)、王港(キングスポート)、だごん様などファンならニヤリとさせられるパロディ要素をふんだんに盛り込んではいるものの、全体をとおして覆う陰鬱とした不安定な雰囲気が崩されることはなく、本当に恐ろしいホラー作品であります。
つうかこれ勝因は配役とロケーションで半分は占められてるだろうと思った。
主演:佐野史郎をはじめみんな顔が怖いよ!インスマス面だよ!
鄙びた漁村もよくこんなとこ見つけてきたなと感心するほどの素敵ロケーション(いや素敵じゃないか)。
妙な音楽(モンゴルっぽい)と効果音がいい感じで嫌な雰囲気を盛り上げている。
あと郷土資料館の館長の「人は物語を作らずにはいられない」という台詞が印象に残りますね。
主人公は写真家でラスト、出版社に今回の旅取材の原稿記事を置いていくんですが、ペンネームも必見ですよ。
この劇中の「原稿記事」」は小中さんの初小説「蔭洲升を覆う影」として小学館「クトゥルー怪異録」に収録されているようです。
“書庫”にもあるようなんでそのうち読んでみようかな。
いあ!いあ!