2010年12月31日金曜日

かくも無数の悲鳴

河出文庫「NOVA 2---書き下ろし日本SFコレクション」に神林長平の新作短編が載っているので購入したぞ。



乾杯、北方。



アンソロジー第二弾のメンバーは、東浩紀、恩田陸、神林長平、倉田タカシ、小路幸也、新城カズマ、曽根圭介、田辺青蛙、津原泰水、西崎憲、法月綸太郎、宮部みゆき、の十二名。
とりあえず神林さんの「かくも無数の悲鳴」だけ読み終わり。
いやー今年末は神林新作でシメとなりましたな。
「場末の星の酒場にて、人類の希望はおれに託された。日本SF界の巨匠が世界の扉を開く」とキャッチコピーがつけられています。
拳銃片手に追っ手から逃げ続ける名も無き男が主人公。
追いかけられている組織名に広域宇宙警察や無限追跡刑事機構とかあってニヤリング。お馴染みの通訳ガジェット:リンガフランカーも記述がある。神林ファンとしては嬉しいところ。
あ、猫っぽい奴も出ます。

話自体はいつもの神林節なのだが、次のステージを予感させるような仕上がりとなっている。
ほとんど抽象論になっているのでこういう感じのSFがダメな人には面白くないかもだが、自分はなかなかに楽しめたというか短いしすでに2、3回読み返した。
主人公は匋冥と似たようなアイデンティティを持ち、審判役の男はおそらく作者:神林自身をモデルにしているのではあるまいかと思われる。
最近もまだまだ頻出している多世界解釈SFに対する爽快なる反撃の一手にもなりうる短編かもしれんですね。
もう大御所なのに常にSFの最前線で考え闘っている感があってまだまだ頼もしい限り。
当然「フムン」健在ですよ!

年末大晦日に良い作品を読めました、うまい酒が飲めそうです。
それでは皆様、酔いお年を。
乾杯。